歩いていてもフラフラする。

頭がぼーっとして

今なにが起きているのかもよくわかってない。


「翔さん」


ごめんね

心配かけたくなくて付いた嘘。

でも

夫婦で付いていい嘘なんてないんだよね。


夫婦だからこそ、ちゃんとはなさないといけなかったんだ。

あたしが悪いんだ

全部あたしが・・

「あら、大変、すぐに病院!お家の方は誰かいる?」

「柚子、翔さん。いるの?」

翔さん!?

理恵ちゃんの手をつかんで首を左右に振った。


こんなあたしなんか

翔さんに会う資格なんてないよ・・


「とにかくご両親に連絡するわ」


保健室の先生の声を最後にあたしは意識を手放した。