後ろから聞こえてくる祐君の声にも今は振り返ることが出来ない。
だって今泣いているところ見せたら
絶対に甘えちゃうもん。
でも
「ちょ、待ってって!」
がしっと捕まれた腕。
もう逃げることは出来ない。
「なんで?どうして追いかけてきたの」
「何でって当たり前だろ?あんなので先帰られたら、
俺変なこと言っちゃったかなって気にするし..って柚子!?」
「ふぇ..っく」
視界がぼやけてきて
ぽたぽたと地面に涙が落ちていく。
泣かないって決めたのに。
「柚子」
「ほんとは、わかってたのかも、しれない」
「柚子?」
「翔さん、があたしをどう、想ってるのか、なんて」
そうだよ、翔さんはただ単に人としてあたしを助けたくて
だから結婚したんだよ。
あたしとどうなろうと
翔さんには関係ないことだし
手を出す気もない・・・
知ってたのに
わかってたのに
いざ本当の事を知るとショックで
..ショック?あたしいつの間にか翔さんの事


