「そうなんだ」
「つーかさ、好きだったら当たり前だろ?」
好きだったら当たり前・・
じゃあ
「好きじゃない人とは」
「出来ないに決まってるじゃん」
そうだよね、キスは好きな人とするもの。
何とも想ってない人としたって
ドキドキもしないし嬉しくもない。
「男だって純粋なんだよ。好きな人としたい、そう思うのは当然だろ?」
「そ、そうだよね」
頷くフリをしながらこぼれ落ちそうになる涙を必死にこらえる。
ここで泣いちゃだめだ。
でも知ってしまった
翔さんの本当の気持ち。
やっぱり翔さんは...
「帰る」
これ以上一緒にいたら泣きそうになる。
すぐに籍を立ってレジに向かう。
お金を払ってお店を出た。
「ちょ、柚子!」


