年上王子様とのアリエナイ××①


「そうなんだ」

「つーかさ、好きだったら当たり前だろ?」

好きだったら当たり前・・


じゃあ

「好きじゃない人とは」

「出来ないに決まってるじゃん」


そうだよね、キスは好きな人とするもの。

何とも想ってない人としたって

ドキドキもしないし嬉しくもない。


「男だって純粋なんだよ。好きな人としたい、そう思うのは当然だろ?」


「そ、そうだよね」


頷くフリをしながらこぼれ落ちそうになる涙を必死にこらえる。

ここで泣いちゃだめだ。


でも知ってしまった

翔さんの本当の気持ち。

やっぱり翔さんは...


「帰る」

これ以上一緒にいたら泣きそうになる。

すぐに籍を立ってレジに向かう。

お金を払ってお店を出た。


「ちょ、柚子!」