空へ。‐夢の先‐

龍「誰が1人で頑張れっつったんだよ…」


成二「………………」


龍「そのために仲間がいんだろ…、」


成二「……………」


龍「……そのために俺がいんだろ」


成二「……………、」




龍「……成二、」


成二「……………っ」


龍「…誰が何と言おうと…俺がお前らを認めてやる。」


成二「……………」


龍「誰が笑っても、俺だけは絶対笑わねぇ」




成二「……………………………っ、」






龍「…お前の不安も夢も!!全部俺が一緒に背負ってやるから

二度と“クズには夢も希望も関係ねぇ”なんて言うな!!!!!!」






成二「……何なんだよ…お前…、」






龍「…俺が必ず…

夢の先まで連れてってやるから。


…29日、来いよ。」





何かにぐっと耐えるような顔をした成二の横にある机に

5人分の

中に記者会見の日時と場所が書かれた紙の入った、紗姫に渡したのと同じ封筒を置くと




部室を出た。


案の定、
その前には他の部員4人と紗姫がいた。



紗姫「龍くん…」


龍「……ご苦労さん、…帰るか」


紗姫「……うん!」



昨日は泣きそうな顔をしていた紗姫も

どこか吹っ切れたような顔をしていた。




2人で歩いていくと、後に4人が部室へ入っていく音が聞こえた。



紗姫「……ねぇ、あの4人呼んだのってさ…

成二の本音を
4人に聞かせるためだったとか?」


龍「……………さあ、?」



ズバリと本音をつかれて恥ずかしくなった俺は

照れ隠しに頬を少し掻いて紗姫から視線を外した。


横で紗姫が、満面の笑みを向けているなんて知らずに。