空へ。‐夢の先‐

成二「俳優としての肩書きのために…劇団なんか作って…こんなことしてんだろ…」



龍「……成二、」

成二「何だよ?」



─────バキッ!!!



俺は、目の前の成二の頬を思い切り殴った。



成二「………っ、

何すんだコラァ!!!!」



そして、殴り返してきた成二の拳をしっかりと受けとめた。



龍「……俺は本気だ」

成二「…………!?」



龍「……肩書きとか…同情とか…綺麗事とか…、

そんなもんじゃ動かねぇ。」


成二「……………、」



龍「…確かに色んな人に夢を与えたいと思ってんのは事実だよ…


…でも…俺は人の夢の前に…

自分の夢叶えるために毎日必死に生きてんだよ!!!!!!!!!」


成二「…………」






龍「誰に笑われようと…
誰に無理だって言われようとな…

太陽みたいな俳優になるっつー夢だけは誰にも譲れねぇんだよ!!!!!!!!!」






“おれ、絶対りゅーみたいに太陽みたいな俳優になる!”



“太陽…?そうか、じゃあ俺は何があってもやめるわけにはいかないな”




成二「……………」




しばらくの沈黙。

成二はポツリと言った。




成二「…分かってんだよ…」

龍「………………」

成二「…変わらなきゃいけねぇことくらい…」

龍「………………」


成二「……このままじゃいけねぇことくらい全部分かってんだよ…」


龍「…………成二、」



成二「…でも…分かってても俺はお前みてぇに進めねぇんだよ!!!!

どう変わりゃいいか分からねんだよ!!!!!」


龍「………………」


成二「1人で何でもできるほど強くねぇんだよ!!!!




…何もかも怖ぇんだよ!!!!」




初めて、初めてだった。


こんなにも、成二の本音や心の叫びを聞けたのは。


俺は強く拳を握った。