空へ。‐夢の先‐

‐成二side‐



龍と前川とかいう女が公園で話してるのを聞いて、数日が経った。


相変わらず俺は


喧嘩や暴走ばかりで、面白くない日々を過ごしていた。





何が芝居だよ

何が夢だよ

何が努力だよ



そんなことして、誰にメリットがあんだよ。


認めたふりして

分かったふりして


結局は見捨てられんのがオチなんだよ。



偽善者ぶって

夢語りゃ誰でもついてくると思ってんじゃねーよ。



芝居なんか大嫌いなんだよ。

お前の名前背負って歩くのは

もううんざりなんだよ…。





「成二ーっ!シケたツラすんなよ?♪

ほら、この子紹介してやっからさ!」


成二「………いらねぇよ、」


無理に明るく話しかけにきた蓮(れん)を軽く流した。


蓮「………なあ、俺この前…前川に会ったんだけど!」

成二「……………」

蓮「……………」

成二「………だから何だよ、」




一緒に歩いてた蓮、篠田、岡野、橋本に背中を向けた。



分かり合えたのはアイツらだけだ。


きっとこれからも。





叶う見込みのない夢なんか絶対信用しねぇ。


大人なんか絶対信用しねぇ。


それは
龍だって同じだ。




信じるのは…

信じられんのは…



アイツらだけなんだよ。




なあ、そうだろ?



なのに


何で戸惑ってんだよ






アイツらも…


俺も…。





“アイツの夢を奪った俺が取り戻す”





どうせ叶わない夢なんかいらねぇよ。


どうせ…。