コイシイヒト




いつもそうだった。

健史といるとドキドキして何も考えられなくなる。


今だって……。




「え……」


顔を上げた瞬間、ふわっと体が包み込まれた。



健史……



「ごめん、抱き締めさせて……」



気がついた時には、健史の腕の中にいた。


『ごめん』

そう呟く健史の腕に、少しの力が加わる。


わたしは誤魔化す事の出来ない高鳴る鼓動を、胸の奥で感じていた。