「うん。じゃあ明日ね。おやすみ」 友人の麻衣と5分程話して携帯電話を閉じたわたしは、鏡に映る自分の顔に目を向けた。 「ハァ、やっぱ老けたよね……」 手の平を頬に添えると、お世辞にも十代のような張りがあるとは言えない。 明日の同窓会。 みんな来るのかな……。 ”みんな”と思いながらも、強く頭に浮かんだ姿は一人。 高校生の頃に付き合っていた”織田健史”。 あの頃も、今も、 大切に想う人。