支度が終わり、部屋を出た時、誰かに呼ばれた。 あの人は… 「と、東沢さん!」 「どうしたんですか奈々さん。こんな所でお会いするなんて」 駆け寄って来た東沢さんはわたしがここにいるコトにびっくりしている。 「まぁいろいろありまして…」 さすがに家出したとは言えない。 そんな時東沢さんの手がわたしの顔に近づいて… 「東沢さん?」 「泣かれたのですか?」 わたしの少し長い前髪をかきあげて、顔を覗かれる。 うっ…図星。 目を見れば一目瞭然だよね。