彼は家に帰ると どんな顔をしているのだろう。 あたしにも見せたことない笑顔で「ただいま」って言うのかな? そしたら、お嫁さんが走って来て、「お帰りなさい」って抱きつくのかな? 「杪?何ボーッとしてんの?」 って、それあたしがやりたいだけか。 「ん?なんでもないよ」 そう言ってあたしは 光志の腕に絡み付いた。 余計なことは考えるな。 虚しくなるのは自分なんだから。