「あ、中原さん!!」 「…そんな大声で呼ばなくても聞こえるって」 「今日は合唱コンクールだね。中原さんのクラスはこの次…だよね?」 「そうよ。あんたと話してる暇ないの。てか、あんたは何手に持ってんの?」 芦屋は薄っぺらい長方形の本を何十枚も手にしていた。 「あ、これ?これは僕たちのクラスが歌う歌の楽譜だよ」 楽譜? なんでそんなもん持ってんの? しかもそれ、クラスメート全員分の量だし。