素直になることがこの勝負に勝てる唯一の方法だと、俺は踏んだ。


「な、...え?」


真っ赤になる堀内は俺の期待を全く裏切らない。


クスっとのどの奥で笑って



「飯、食いに行こ。置いてくよ」


すぐ後ろから着いてくる、と信じて俺は歩き出した。


「え、あ、待ってよ!」


やっぱり慌てた感じで堀内は追いかけてくる。


俺がリードして、レストランに連れて行く。





と格好良く行きたい所だけど、野球三昧の俺はバイトをしてないから溜めたお小遣いを使わないと行けない。


ただ普段からあまり買い物もしないから、お金は結構ある。


でも初デートでいきなりそんな高級な所に連れて行けるはずがなくて、普通にファミレスに落ち着いた。




「お腹すいたねー」


「だな」


昨日もファミレス来たっけ、なんて思いながら俺はメニューを見る。


お互い食べたいものを頼んで沈黙で食べる。



でもやっぱりこの沈黙は嫌じゃない。



とても落ち着く。