「い~度胸だね~、龍!!!」 大きな音を立ててフロントガラスを叩いたのは… 今まで見たことのないくらい怖い顔をした桐谷慎。 桐谷慎……。 誰よりも大好きな彼の顔を見て、フッと気持ちの緩んでしまった私をよそに。 「…やっと来やがったな。」 早坂さんは “全てこれも計算づくだ” と言わんばかりに、ニヤリと笑って。 悪魔で冷静に助手席側のロックを解いた。