「ああ……今日も良い天気だ」

根津は、城で今日も治療に精を出していた。

なかなか佐助も慶次も目を覚まさないが、今も軍の編成で周りは大忙しだった。

医務室では、麻痺毒の治療が終わり、今は根津が二人の治療に専念していた。

院長は、同じく医務室にて麻痺毒に備えて、一人で抗体の製作に専念している。

「しかし、いつになったら戦争になっちまうんだろうなあ…」

根津は日が経つにつれ、不安が大きくなっていた。

周りが焦るのも、この戦力となる二人が目を覚まさないからだ。

今のままでは、連合軍は壊滅すると兵士の間で噂になっている。

「どうにかならないもんかなあ………」

根津は眠る二人を見て、大きくため息をついた。

「根津。ため息なんてついてねえで、しっかり治療しやがれ」

刺すような視線と言葉が、院長から浴びせられる。

根津は静かに小さくため息をついていた。