どれだけ見つめ合っていただろうか。 「ぁ…あの……」 小さく言った彼女に対して少し近づくと、無意識のうちに微笑んでいた。 「階段くらい大丈夫だよ。ちょうど資料室に行こうと思ってたからさ。 中川さんは何も気にしない!!!」 ちょっとふざけた顔で言ってみせると、中川さんの口元が緩んだ。 その様子に安心しながら、一年生の廊下を歩いた。 「ぁ、麻美ちゃん!!」 「清嘉ちゃん、会長と知り合いなの?すごいねっ。」 五組の教室あたりで、一人の生徒を呼びとめた中川さん。 同じクラスの子だろうか。 .