でも、面倒とか言いつつ この状況を喜んでいる自分がいて ……ちょっとだけ、紳にお礼を言いたくなった。 まだ、少しだけ根に持ってるけどな…← 広い図書室に二人きり。 こんなことを思うのはあれかもしれないけど…… なんだか、世界に二人きりでいるような感覚に陥る。 らしくないロマンチックなことを口走りそうになりながら 大きな瞳を向けて見つめてくる彼女を見つめ返して言った。 「まぁ……用はなかったんだけど…」 「えっ?なかったんですか?」 「うん。ごめんねわざわざ。」 .