それから半年。 ある日の昼休み。 俺は、一人教室で読者をしていた。 あれから時々、中川さんを見掛けたけど これといって話したりもせず… 紳と何か進展があったかもわからない。 ただ、まだ図書委員の仕事になれない中川さんを、図書委員担当の紳がサポートしてるみたいだし。 ちょっとでも仲良くなってればいいけど… 好きな作家の、一番気に入っている文庫本。 もうすぐ読み終わってしまう。 栞を挟み、本をしまったとき… 「弥斗。」 紳に呼ばれた。 隣のクラスの紳がわざわざ教室に来るなんて珍しい。 .