………なぜか


胸が潰されそうになる。

息が苦しくなる。




必死に、ブレーキをかけている俺に

果たして彼女を振り向かせることができるのだろうか。


こんな

情けなくて


臆病になっている自分を


彼女が見てくれるワケがない。





「ねぇ、何食べる?」


「…ハンバーガー以外なら、なんでも。」




それがわかっていて、目を瞑っている

見えないフリをしている俺は



……恋をする資格がないのだろうか。



ギュッと晶奈に握られた腕を、俺は振りほどくことなく歩いた。


振りほどく気力もないんだ。





.