紙袋の中のアイスコーヒーは、きっと冷たくなくなってしまっただろう。 「……ヤバいな」 ちょっと肩に触れただけなのに、手の汗が尋常じゃない。 頬が紅潮するのがわかる。 まだ完全に晴れたワケではないが、彼女の声を聞いて ……グレーが限りなく白に近くなったみたいだ。 ボーッとしながら、晶奈の待っているところに向かう。 ……あとで中川さんにメールしてみようかな? 「ぁ、弥斗!!遅かったじゃない」 「ごめん、ちょっとね。」 少々怒り気味の晶奈に微笑んで、アイスコーヒーを渡した。 .