あの日、こいつが言った 「好きです!」 の返事はしてない こいつも自分からは催促してこないし、俺から言うつもりもない こいつにとって、ちゃんとした告白って訳じゃなかったんだろうし 「ねぇねぇ」 「ん?」 絡ませた腕に少し強く力をいれて、身体をくっつけてきた 「………寒い、ね?」 「それ、さっきも聞いた」 「だけど、寒いじゃん」 寒さで赤くなった頬を膨らませて、こいつは拗ねた顔をした