「親太郎……ずっと、ここにいるから……親太郎が寝付くまで、ちゃんとここにいるから……だから、もう、眠っても、いいんだよ……」
あたしが言うと、また親太郎は微笑んだ。
「……マジ…で?」
「……うん」
あたしは、親太郎の手を握って顔を近づけ。
そっと、親太郎の唇にキスを落とした。
親太郎は、歯を見せて笑った。
右頬にえくぼが出ている。
「……菜緒……幸せに…なれよ……」
あたしは、涙を拭いながら細かく頷いた。
親太郎は、あたしの頭を撫でた。
「……またな…」
「……親太郎!!」
「……おや…すみ……」
親太郎の手が、ベッドから落ちた。
その衝撃で、親太郎のミサンガが切れて床に落ちた。
涙で滲んでよく見えなかったけれど、親太郎の寝顔は微笑んでいるように見えた。
幸せそうに、満足そうに。
親太郎は、旅立った。
12月24日。
クリスマスイブ。
窓の外では、雪が舞っていた。
鹿児島では、とても珍しいホワイトクリスマスだった。


