親太郎は、颯太くんを時々振り返りながら前奏を弾いた。 親太郎はすごい。 歌も歌えて、曲も弾けて。 やっぱり、かっこよくて。 大好きだ――… 親太郎は前奏を弾き終わると、大きく相槌をうって、颯太くんと歌いだしを揃えた。 オルガンの音色と。 2人の歌声。 学習室を通り抜け、病院全体に響き渡った。 苦しさをこらえ、少しテンポが遅れながらも、必死に歌っている颯太くん。 その後ろで、颯太くんの両親と親太郎のおばさんも一緒に口ずさんでいた。