「帰るか。途中でどっか寄ろうよ」
「帰るのには賛成だけど、途中どっかに寄らないから」
「せっかくなんだから寄ろうぜ!」
やだ、と断ろうとしたら、遊園地の従業員の声が聞こえてきた。
「ほ、本日は貸し切りと申しましたが、中止となりましたので一般の方々もご入園下さい!」
え?
驚く私や雅人と違い、周りでは嬉しそうにハシャギながら遊園地へ続々と入っていく。
「また急になんなんだ?」
「さあ・・・?」
「・・・ま!入れるならさっさと行こうぜ!」
「だから引っ張らないで!」
笑顔で手を引く雅人は、もう遊園地に目を輝かせていた。
大学生でここまで遊園地にはしゃぐって、雅人ぐらいだよ・・・。