言うと満足したのかぱっと手を離してくれた。
ヒリヒリと痛む頬を涙目でさする。
痛い・・・。
「この紬!!早く離せ!!」
あ、忘れてましたわ。
「あ、忘れてた」
くぐもった静の声に思い出したのは私だけではなかったようだ。
いまだに静の顔をわしづかみしていた紬は静の声に手を離した。
「何するんだ!!」
「こっちの台詞だ。毎度毎度飽きないのか?」
静の抗議に紬は耳に小指を入れてうるさいとアピールしながら呆れた顔を見せる。
実はいつも静から私は紬に助けてもらっていたりする。
「飽きたりなんかしないさ!紫翠ちゃんとだったら朝も昼も夜もずっと毎日いたって飽きないさ」
「私は飽きますわ。とゆーか、ウザいですわ」
「だそうだ」
「紫翠ちゃんの照れ屋さん∨」
「ハートをつけないでくださいますか?あと、照れてなんかいませんわ」
「そんなところも大好きさ!!」
「話を聞いてくださいまし!」
「お嬢様、もうほうっておきましょう」
「え、ですがそれは流石に・・・」
「いいですから」
「・・・それでは静、ごきげんよう」
なんか一人で喋っている静に一応挨拶をして門をくぐった。
「あれ!?いない!!」
門の閉まる音に我にかえった静だった


