「・・・紫翠ちゃん」
カフェから出てから終始無言だった静が私の家までついた時口を開いた。
「なんですの?」
「その・・・ごめん、ね?」
「?何を謝っているんですの?」
重苦しそうに口を開いた静から出た言葉に、意味がわからなかった。
静は私に何かしましたでしょうか。
「ほら、カフェで怒鳴り散らしたり、人殴ったりしてさ・・・」
「・・・ますますわかりかねますわ。どうして静が謝るんですの?」
「だ、だって紫翠ちゃん!前に好みの男性聞いたら、『乱暴者ではなく、頼れる方がいいですわね』って言ってたじゃん」
「ああ・・・」
そういえばそんなことを言ったような・・・。
「だからって静が謝る理由はどこにもありませんわよ?逆に、私感謝しておりましてよ?」
そう言うと静はキョトンとした。
「私の為に、怒ってくださったのでしょう?嬉しかったですわ」
「紫翠ちゃん・・・」
ハニカミながら言うと静はじーんと感動していた。
「紫翠ちゃん大好き!!」
と言いながらガバッと抱き着いてきた静。
そうだ、静はちょっと褒めたりなんかするとすぐにこんなことするんだった・・・。
「・・・静、離してくださいまし」
「え〜ヤダー!」
「やだじゃありませんわ」
「やだやだやだやだ」
「貴方は子供ですか!?離してくださいまし!」
力で静に敵うわけないとはわかっているが、ただされるがままよりもいいので抵抗する。
しかしやはりと言いますかびくともしない。


