その日の夜、家に帰ると久しぶりにお父さんの姿があった。


「麻梨亜、なんか辛いことでもあったのか?」


(普段通り振る舞っているつもりなのに…)


さすが私のお父さんだ。

「ううん、美樹の誕生日会ではしゃいじゃってちょっと疲れてるだけ。」


「そうか……。」


寂しそうな顔をするお父さん


(さすがに親友が好きな人に告白するの見ちゃって悩んでいるなんて言えるわけないし……。)


「そういえば最近、麻梨亜病院に行ってるらしいな。」

「友達の妹が入院しててその子と仲良くなったんだ。」


最近思う事がある。


お父さんは仕事で忙しいのに私の行動などをよく知っている。


これだけ有名な人だ。外を歩けば私が知らない私を知っている人がいっぱいいるわけだ。



変な事をしてお父さんの名前に泥を塗らないように気をつけて行動しなければと思った。