あたしが必死に呼び止めても、一切振り向かず、背中を向けて歩き出した。




「……っ……なんでよぉ―…」



ポロポロと溢れ出す涙。




好きなのに……



大好きなのに………



放課後の校舎裏で、あたしはただワンワンと泣き続けた。






七村 鈴加 [ななむらすずか] 17歳。



今日、最愛の人に、最悪な方法で振られました……







……どのくらい泣いてたんだろう?



辺り一面、夕日で真っ赤に照らされている……




泣きすぎたせいで、目がしょぼつく……




はぁ―……ここにいるのはイヤだ。



別れを切り出されたこの場所から、早く逃げ出したかった……



そんな気持ちが、あたしの足をゆっくりと前に進めた。




と言っても行き先なんて決まってない。