｢は？なんでだよ？｣
すると蘭の横に居たあたしに気づいたのか……
｢あぁ、じゃあバスケ部の先輩にでも言っとこっか？｣
智也にも孝太とのことは話していた。
２人とも優しいんだから……
｢あっ、あたしなら大丈夫だよ。それに今日は用事があるんだ。｣
｢用事？｣
｢うん。ちょっとね｣
用事という用事じゃないけど……
｢……本当に大丈夫？｣
心配してあたしを覗き込んでくる。
｢大丈夫だって♪｣
｢そっ……か。じゃああたしたち、行くね？｣
｢うん。頑張ってね｣
２人とも少し心配そうにあたしに手を振りながら、教室を出ていった。
さて、あたしはどうしようか……
用事なんて特に無いけど。
今まで孝太と帰っていた道を、この時間に帰るのはツラいし……
ってか今日、孝太休みだったなぁ―……
隣のクラスに居なかったし……
風邪ひいちゃったのかな？
｢っ……｣
あぁ―……またあたし、孝太のこと考えてる。
はぁ―…ほんと１人でいると孝太のことばっかりだ。
……１人でいると？
あたしはゆっくりと足を進めた。
