「ってか司先輩っ!カラオケいいんですか?」


キスの余韻に浸ったまま、抱きしめていた鈴加の身体が勢いよく離れた。



「……カラオケ?」



「卒業だから、お別れ会を開いたんでしょ?」



お別れ会って、なんか可愛い響きだな。


「別にいいよ。元々少ししかいない約束だったからさ」


「そ……うですか……」



何だ、その微妙な顔。


「帰ってこない方がよかったか?」


「えっ……ち、違いますっ!!」



ブンブンと横に手を振りながら否定する。



「それにしても、よく分かりましたね?ここに居るって」


「あぁ―それはなんとなく」



本当になんとなく。


鈴加ならここに来るような気がしていた。



でも、もし来なかったらどうしてたんだって感じだよな……