大人しくベッドにもぐった。 「司先輩……」 「ん?」 「あたしは離れませんから……」 「え……?」 眠っている俺の横に座り、手を握ってくる。 「何でもないです」 優しく笑い、その言葉を誤魔化した。 離れていかない……か。 なぜかわからないけど。 なんでかわからないけど…… 胸が少し安らいだ…… 「鈴加……」 「はい?」 「離れていくなよ」 そう言って、そっと手を握り返すと…… 「はい」と小さくうなずきながら、笑った―……