「いや……でも……」


「とにかく送ります!バッグ持ってきますから、司先輩はここに居てください!」


無理やりに椅子に座らせ、あたしは教室に向かった。



「おかえり―♪」


お菓子を口に含んだまま、話す蘭。



昼食後すぐにお菓子って……



「蘭。あたし早退するから、先生に言ってて」



バッグに荷物を詰めながら、蘭にそう伝えた。



「は?帰るって、体調でも悪いの?」


「違う!司先輩が熱があるみたいで……」


「あぁ~~。看病ねっ♪」




何でニヤニヤするわけ?



「ちゃんと看病してきなさい♪」


「はあ……?」




意味のわからないまま、バッグを肩に掛け教室を出た。


「あれ?お前帰んの?」



教室を出たとたん、ペットボトルのお茶を手に持った智也が立っていた。



「そう、司先輩がちょっと体調悪いから……」



昨日言われたことを、根に持っているあたし。