「いえ。そんな。それより保健室行きましょう?熱とか計った方がいいし」


「ん……。でも……今日はもう早退するよ……」



いつもよりスローペースで話す司先輩。


「これ……ありがとな」



フラッと立ち上がり、肩に掛けていたブレザーをあたしに手渡した。



「えっ!?」


よろよろしたままドアに向かう司先輩。



「まさか1人で帰るつもりですか!?」



そんなよろよろな体で……



「当たり前だろ……。他の奴に……頼むわけにもいかねぇし―……」


「ちょ、ちょっと待ってください!家まであたしが送りますっ!」


「……は?」


「だから送りますって!」



看病もしたいし……


「いや。でも午後の授業が……」


「司先輩に午後の授業とか言われたくないです」



サボり魔なのに。