「ん……」


「司先輩っ!目、覚めましたか?」




突然昼食中に倒れてしまった司先輩。



正確に言うと、キス中に……なんだけど。



「鈴……加……?」



ボーッと視点の合わないような瞳が、あたしを見つめる。



「きっと熱があるんですよ……。もう少し横になっててください」



突然倒れてしまった司先輩を保健室に連れて行こうにも、大きい司先輩を小さなあたしが運ぶのはとてもじゃないけど無理で……



結局こうやって、膝枕をするしかなかった。




「ん……これって……鈴加の?」



肩に掛けてあるあたしのブレザーを、弱々しく握ってる司先輩。



「はい。寒いといけないなと思って」



でも実際に司先輩に掛けたら、あまりにもあたしのブレザーは小さくて……



ほんと、ただの気休めにしかなってなかった。



「……サンキュ」