「過去って……」
過去の意味がわからない……
俺の過去が鈴加の何を苦しめているのか?
「司先輩って……うぅ~……エッ……チが上手いって」
「はあぁぁ!?」
エ、エッチ!?
「だ、誰が!?」
言ってたんだよ!?とまで言い切れないほどの焦り。
でも鈴加には伝わったみたいで……
「ほ、他の先輩たちが……」
はぁ―……
完璧俺のせいじゃん。
「あたし、それ聞いてドロドロした気持ちになったんです……」
……ドロドロ?
「そんな最低な部分を先輩に見せたくないのに……」
「あ、あのな……鈴加」
「すみません。こんなこと言ってうざいですよね」
ははっと無理に笑顔を見せる姿に、胸が締め付けられた。
「うざいなんて思うわけないだろ?」
思うはずがない。
「で、でも!過去のことを言われて、しかもそれにイライラして司先輩に当たるって最低ですよ……」


