いつも優しく頭を撫でてくれた孝太じゃない。



鋭い瞳に冷たい声。



背中に冷たいモノがツーッと伝う感じがする。




こんな孝太なんて、知らない……



「お前も遊んでそうだったから、軽いノリでコクったのに……」




そうだよ…告白してきたのは孝太からでしょ?




「なのに、全然ヤらせてくれねぇし。」




だってあたしたち、付き合ってまだ2ヶ月だよ?



そんな簡単に“初めて”はあげられないよ……



「とにかく、もうダルいから別れよ。俺、新しい彼女も出来たから。」



「…え」




新しい彼女……?



別れよう………?




何の感情も無いように、平然とあたしを見る孝太。



1年の時のクラスメイトで、ムードメーカー的な存在だった孝太。



優しくて、一緒にいたら楽しくて……



そんな孝太に、2年に入ってから告白された時は、舞い上がるほど喜んだ……




それから毎日、大好きな孝太の為に頑張った。