「じゃあ、俺帰るな?温かくして寝ろよ?」



頭を軽く撫で、そのまま玄関のドアが閉まった。




何でも抱えるって……



本当に司先輩はあたしを軽蔑しない……?



どろどろで醜い心を持つあたしを……



司先輩を信じてるよ。



信じてる……


この不安はなに……?



まるで信じてないみたいじゃん。




そんな不安を司先輩に伝えたら……




きっと司先輩は……



「っ………」



怖い……


嫌われるのが……




司先輩が離れていくのが……


自分の気持ちなのに、自分が一番わからない。



“信じる”の意味がこんなに重くて、怖いなんて……






あたしはただ、静かに閉まったドアを見つめていた。