涙を飲み込むように小さく頷いて、柔らかく笑った道岡。



そんな道岡に俺も笑いかけた。


「鈴加ちゃんのこと、幸せにしてあげなよ!」



ビシッと俺を指差す。



「あ、あぁ―…」



それに少し圧倒される。



「なんてね♪司くんが好きになった女の子だもん。幸せに決まってるか♪」



どこからくるんだ?


その自信は……




「ふっ……、だといいけど」



実際は泣かせてばかりだ。



でも……俺が支えてやりたい。


悩んでるならどんなことでも俺に相談してほしい。



「じゃあ、あたし帰るね。」


「……じゃあな」



「明日からは友達として、よろしくね♪」



手を振りながら、教室を出ていった。



俺はそれをただ、見ているだけだった。




この時、俺は気づいてなかった……




この現場を鈴加が悲しそうに、見ていたことに―…