誰にでも明るい性格も。 クリッとしてパッチリした瞳も。 本当は弱いくせに、強がる鈴加も。 そんな全てが愛しい…… 「あぁ―あ。幸せそうな顔しちゃって」 「えっ……」 「顔が笑ってるよ」 「っ……」 バッと口を押さえた。 「ねぇ、司くん?」 「……あ?」 「最後に一個だけお願いしてもいい?」 「……あぁ―……」 「名前……呼んで。一度だけでいいの。下の名前……」 道岡の瞳が俺をとらえる。 「………茜[あかね]」 ――カタッ なんか今……音がしたような? 「……んっ、ありがと」