鈴加が何を言われたのか、俺にはわからない……
俺と鈴加はどんなに頑張っても、別々な人間なんだから。
だから……教えてほしい……
鈴加が何を考えているか……
鈴加が何を悩んでいるのか……
鈴加が何を思っているのかを……
「司くん?」
「……あっ」
いつの間にか、俺と道岡以外誰も残っていない教室。
「ごめんね……放課後にわざわざ残らしちゃって」
「いや、別に……」
いつもみたいにベタベタしてこない。
「あたし、司くんが好きだよ?」
「あ、あぁ―……」
「本気で好きだよ……」
「あぁ―……わかって……「わかってないよっ!!」
突然叫んだ道岡に、驚きで体がビクッと動いた。
「1年の時から好きだったの……。本気で、ずっと本気で……」
うつ向きながら話す道岡から、ポタポタと涙があふれ教室の床を濡らした。
「本気を見せたら、司くんはおもいっきり拒否するでしょ?」
「……道岡」


