鈴加の焦っている姿が想像出来て、笑みがこぼれた。
「何笑ってるんですか!」
「イヤ、だってさぁ―……」
口元を押さえて鈴加を見ると。
「す……鈴加……?」
泣きそうになっている鈴加の顔。
や……ヤバい……?
「司先輩にはわかんないよ……。あたしが何て言われたかなんて……」
「お、おい。鈴加!?」
瞳がうるうると動く。
「な、何か言われたのか……?」
誰に……?
なんて……?
「それなのに司先輩は笑って……」
「そ、それは悪かった!」
「ひ……ひどいよ……」
「鈴……」
「触らないでっ!!」
鈴加の頬に触れようとした手が止まった。
「ごめんなさい。あたし……今日は教室で食べます」
「えっ……お、おいっ!?鈴加!?」
弁当だけを押し付けて、足早に教室を出ていった。
「な……、なんなんだよ……」
鈴加が出ていったドアを見つめたままそう呟いた。


