「紅茶でいい?」


「あっ、はい」



ちょこんとソファーに座っている鈴加。



お湯を沸かして、紅茶パックを準備する。




鈴加はコーヒーが苦手だって言ってたから、紅茶。



俺は逆に紅茶苦手なんだよな―……



「はい」


「ありがとうございますっ」


ティーカップを受け取って、両手で持ちながら一口飲む鈴加。



なんだろ。



こんな行動一つひとつがかわいくて仕方ない。




もう完全な鈴加バカになってしまったな……




自分のバカさに呆れながら、俺も鈴加の隣に少し距離を置いて座った。




「「………」」



終始無言……



チラッと鈴加を覗き見た。



寒い外から暖房の入ったこの部屋に来たせいか、鈴加の頬が赤く染まっている。



今日の鈴加を見たときは、思わず息を飲んだ……



いつも以上に可愛いから……




そのせいで駅でも、水族館でも、気が気じゃなかった。



周りの男からの視線なんて、完璧鈴加に向いてたし……



そんな視線を恐らく気づいてないであろう……鈴加。


普段もこんな格好で街を歩いているのかと思うだけで、またイラッときている俺がいる。