「もぉ―っ!凄かったですっ!!」



水族館を出て、さっきのイルカショーにまだ興奮気味なあたし。


「そっか。ならよかった」



――ドキッ



優しい司先輩の笑顔に、胸が高鳴る。



「どうする?そろそろ帰る」



携帯の時計を見ると、6時過ぎを示していた。



……もう帰るの?



「まだ……一緒に居たいです……」



ボソッと呟いたその言葉。



あたし、何言ってんだろ///



恥ずかしくて、ただうつ向いていると……



「あぁ―……、じゃあ俺ん家来る?」


「……え?」



ゆっくり顔をあげると、真剣な表情で、あたしを見つめる司先輩。



「先輩の……家ですか?」



確かにそう言ったよね……?


「あぁ―。……イヤ、か?」


「っ……い、イヤなんてそんなっ!!」



手を横に必死に振った。



「じゃあ、来る?……ってか来てほしいんだけど……」



そう言って真剣にあたしを見つめる司先輩に……



「……っ//行きます」



と小さく答えて、ドキドキする胸を押さえながら、蘭のくれた“あれ”を思いだし、バックをギュッと握った……