「考え事してたんだよ……」


「何の考え事だよ?」


「あぁ……それがさ―……ってか道岡」


「えっ?」




俺が話しかけたのが嬉しかったのか、パアッと明るくなった道岡の顔。



「俺、彼女しか興味ないから」


「……え」


「つまり、彼女以外は興味ないわけ」


「っ……」


「夏樹、次サボるぞ」


「あ、あぁ―……」




放心状態の道岡をよそに、俺たちは教室を後にした。



「お前、本当にあれ以来他の女に冷たくなったよな―」


「あ、そうか?」




屋上に向かっている俺たち。



「あぁ―……。でも、鈴加ちゃんと付き合う前よりは、なんか俺、好きだな―」


「は……?」


「イヤイヤ!そんな意味の好きじゃねぇ―ぞっ!」



当たり前だ!!