「でもさぁ―、まだ諦めてねぇ奴いるよな―」


「は……?」


「司く~ん」


「おっ、噂をすれば……」




夏樹が見ている視線の先を見ると、手を振りながら走ってくる道岡。



相変わらず化粧濃いなぁ―……


「今日の放課後デートしよ♪」


「無理」




毎日のように、誘われるデート。


マジウザい……



「えぇ~~何で~~?」




何でなんて、決まってんだろ?


「彼女いるから」



つ―か鈴加としか、デートしたくないから。



ん……?


ってか俺らデートしたことあったか……?



あ……れ……?



「司く~ん?」



ヤベェ――


「司く~……」


「ウザいっ!!」




ビクッと震えた道岡の体。


「おいおい。何もそこまでキレることねぇだろ?」



夏樹が肩をポンポンと叩いてくる。