「っ……」
ダメだ……
やっぱりあたし、司先輩のこと好きだよ。
でも司先輩は……
「っ…うぅ~~」
「えっ!?なんでまた泣く?」
「だってぇ~~」
こんなに好きなのに。
子供みたいにワンワン泣くあたしに、オロオロした様子の司先輩。
「好きなのに―っ」
「……えっ?」
「司先輩のこと、大好きなのにぃ~~」
こんなのただのあたしのワガママだ。
でも止まらなかった……
――ギュッ
「ふへっ!?」
間抜けとしか言い様がないあたしの声。
なんで……
なんで抱きしめるのよ……
「好きじゃないのに、抱きしめないでよぉ~~。うぅ~~」
「好きだから抱きしめてんだろっ!!」
――ビクッ
あたしを抱きしめたまま叫んだ司先輩に体が跳ねた。
「好きに決まってんじゃん……」
ギュウと抱きしめられる体から、伝わってくる司先輩の体温。
「で、でもさっき……やっぱり無理って」