「一緒に帰ろ?」


「あ、あぁ―……」



一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに笑顔を見せる智也。



いつもなら、こんな風に誘うのも緊張したりしないのに。



あの告白以来、ちゃんと智也を見ることが出来ない。


でも、あたしの気持ちは決まった。




あたしは……この想いを伝えたい。



正直な想いを……智也に伝えい。




「じゃあ、準備してくるから待ってて」


「うん」



まるで恋人みたいな会話。



智也は告白の後から優しくなった気がする。



今までなら『待ってて』じゃなくて『待っとけ』だったのに……



その優しさに、また胸が締め付けられた。



「ちょっ、ちょっと!鈴加っ!」



あたしの元に蘭が焦って走りよってきた。



きっとあたしが智也を誘ったのを見てたんだろう。



だから、こんなに焦ってるんだよね……?