司先輩の居なくなった、静かな図書室。



司先輩の居ない、寂しいあたしの隣。




泣くわけでもなく、何をするわけでもない。


ただ、司先輩の出ていった背中を追いかけるように、ドアを見つめるだけ。



どうしてこんなことになったんだろう……?



好きなのに……



なんでこんなに気持ちが離れていっちゃうのかな……?



ただじっとドアを見つめていたあたしの目から、スーッと涙がこぼれた。



結局一時間目の授業はサボってから、教室に戻った。



――ガラッ



「鈴加っ!」



教室に戻ったとたんに走りよってきた蘭。


何も言わず、サボっちゃったからね……



「どこ行ってたの?」



優しい口調でそうたずねてくる。



「ちょっと……ね」


「……そっか。……よしっ!ついでに2時間目もサボるぞっ!!」


「えっ……!?」



2時間目も!?