……鈴加は今頃泣いてるのか?



1人で体を震わせて……泣いているのか……?




でも俺がそこに行くわけにはいかない。



俺はお前を泣かせることしかできないから―……



―――――――………



――…ポーン、ピンポーン



「……んっ」



軽快なチャイムの音で目が覚めた。



あっ……俺、寝てたのか。



――ピンポーン



うるせぇ―な……



何度も鳴るチャイムにイライラしながら、玄関に向かう。



――ガチャ



「よっ♪」



ドアを開けると、ニコヤかに笑う夏樹が立っていた。



「んだよ……」


「その態度は無いでしょ~。俺はわざわざお前のカバン届けに来てやったのにさ」



カバンを差し出してきた。