気づいたら鈴加を押し倒していた……



細くて力をいれたら、簡単に折れちまうんじゃないかっていう腕を、力いっぱい押し付けて。



クリッとした大きな瞳に、涙をいっぱいに溜めさせて。




『好き』だと伝えてくれた口から、戸惑いの言葉を出させて。




ギュッと温かくて安心するような体を、震わせていた……




ハッと我に返った時には、もう遅かった。



鈴加の瞳は、俺を恐怖にしか感じていなかった。




いつも俺を見ていてくれるような、優しい瞳じゃなかった。



そんな目にしたのは紛れもなく俺だ……




――『やっぱり怖いよな……』



そんなこと分かりきってる。



震える鈴加を見れば……




どこで愛し方を間違ったんだろう……?



そんなの分かりきっている……



鈴加からの愛情を確認したくて、色んな女を相手した。



最初は素直に顔に出していたヤキモチを……、鈴加がしなくなったのはいつからだろう?




俺のこと嫌いになってしまったのか……?



そう思うとさらに、ヤキモチを妬いてほしくて、女を利用した。