「あぁ―、ごめん、ごめん。さっき理科室に筆箱忘れちゃったみたいでさぁ―」


そしてまた見てしまった。



司先輩と、まるでカップルのように仲良く話している女子を。




「今度からは何か一言くらい、言ってから行ってよね!?」


「はぁ―い」



さすが姉御肌の蘭だ。



しっかりしてる……




「そういえば最近どうなの?」


「……え?」


「え?じゃないわよ。司先輩と。お昼、別々に食べるようになってからあまり見ないし。」



そう。今は蘭たちとお昼は別々に食べている。



理由は司先輩があたしの弁当を食べてみたいと言ったのがきっかけ。



それ以来、あたしと司先輩は空き教室で昼食をとるようになった。




「あぁ―……、まぁまぁかな?」


「ふぅ―ん。そっか―。でもうまくは言ってるんだね」


「う、うん……」



うまくいってる……




「そっか。よかった♪……ちょっと最近さ、嫌な噂聞くから」



そう言って声のトーンを落とした蘭。